Pocket
LINEで送る

このページでは炭素が有機物でない理由を説明します。

少し長くなりますが、順を追って記事を読んでいただければ2分ほどですぐに理解できると思います笑

有機物の定義

中1:物質の性質で学ぶ有機物の定義はこのようになっています。

「有機物とは炭素を含んでいる物質のことである。」

なら、当然炭素は有機物だ!と思うかもしれませんが、残念ながら炭素は無機物です

 

(“゚д゚)?

 

意味が分かりませんよね笑

 

有機物を燃やすと?

では次に有機物を燃やすと何が発生するかということに着目しましょう。

有機物は燃やすことで二酸化炭素と水が発生するという性質があります。

このとき、

二酸化炭素は有機物の中の炭素と空気中の酸素が結びついてできます。

水は有機物の中の水素と空気中の酸素が結びついてできます。

すなわち、有機物は炭素だけでなく、水素も含まれていることになります。

 

しかしながら、炭素や二酸化炭素には水素が含まれていないため、無機物という扱いになるのです。

これが炭素が無機物である理由です。

 

有機物に含まれる原子

ちなみに、以下のような問題が、外部模試や入試等でよく見ますよね。

 

Q.有機物に含まれている原子を2種類答えなさい。

 

答えは、炭素と水素です。

 

なのですが、教科書には有機物の説明として炭素を含んでいる物質という風に書いてあります。そして、中学校でもそのように習います。

 

だから水素という答えが出てこない子が結構たくさんいます。

しっかりと覚えておきましょう。

先ほども書きましたが、この問題は有機物を燃やすと必ず発生する二酸化炭素と水という物質に焦点をあてた問題となっています。

 

有機物+酸素→二酸化炭素+水

 

この公式も必ず覚えておきましょう。

 

これ以下は塾講師向けの記事となっていますので、炭素が無機物である理由だけを知りたかった方は読む必要はありません。

塾講師はどのような指導をするべきか

以上の事から、中1で有機物の定義を学ぶ際に水素も入っていることを説明するべきだと思っています。(これが完璧な正解だとは思っていません)

メリットとしては

  • 炭素や二酸化炭素が無機物であることが理解できる。
  • 燃やすことで水や二酸化炭素ができる理由が中学2年生になったときに気づきやすい。
  • 外部模試や入試での実力が身につく。

デメリットとしては

  • 有機物の定義を答えなさいという問題が出たとき混乱する。(こんな問題見たことありませんが)
  • 教科書では炭素を含むものが有機物となっているため、教科書の内容から逸れた説明になっている。

 

こんなところでしょうか。デメリットもありますが、「炭素って炭素を含んでいるのにどうして有機物じゃないの?」っていう疑問はなくなりますよね。

疑問をなくすことが良いことであるかは難しいところですが、(疑問があってこそ、思考力が身につくので)理科という教科に対しての実力はつくかと思います。

 

塾講師や、学校の先生方もおそらく「このタイミングでこれを教えた方がいいかも?」って思う場面はたくさんありますよね。

 

そんなとき、深く考えて良い点、悪い点を考えながらどんどん授業の質を高めていく。

 

そういう教材研究ってすごく面白いですよね。

こちらの記事も読まれています