静電気
全ての物質は、基本的に+の電気(陽子)と-の電気(電子)が同数あり、この状態を「電気的に中性である」と言う。
※ここで出てくる+の電気と-の電気は中3:原子の構造とイオンで詳しく学習する。
2種類の異なる物質(中学校では「ストローと布」を例に出されることが多い。)をこすり合わせると、
一方の物質からもう一方の物質に-の電気が流れ込み、-の電気をたくさんもっている物質と-の電気が少ない物質とに分かれる。
※-の電気がどちらに移動するのかはこすり合わせる物質によって決まっているが、それを覚える必要はない。ただ、今回の場合ストローが-の電気を受け取ることは定期試験で出題されやすいので覚えておくこと。
このとき、-の電気をたくさんもっている物質は「-の電気を帯びている」と言い、-の電気が少ない物質は「+の電気を帯びている」と言う。
このような電気を帯びている物質は以下のような特徴がある。
- 「-の電器を帯びているもの」同士はお互い退けあう力がはたらく
- 「+の電器を帯びているもの」同士はお互い退けあう力がはたらく
- 「-の電器を帯びているもの」と「+の電器を帯びているもの」はお互いに引きあう力がはたらく
同じ電気なら退けあい、異なる電気なら引きあうので磁石と同じ感覚で覚えると覚えやすい。
静電気・・・2種類の異なる物質をこすり合わせたときにそれぞれの物質に発生する電気のこと
※同じ種類の物質をこすり合わせても-の電気は移動しなく、静電気は発生しない。
※静電気は空気清浄機・コピー機・レーザープリンターなどで応用されている。
はく検電器
はく検電器・・・下の図のようなガラスのビンにコルクでふたをして、金属を取り付けた装置のことで、物体が電気をもっているかどうかを調べるもの。
ビンの中の金属部分はアルミホイルのような薄い金属(「はく」と呼ぶ)で、少しの力で動くようになっている。
図の赤色の部分が金属部分でここで+の電気と-の電気が行き来する。
通常の状態のはく検電器は上図のようにどこも電気的に中性で、はくに力がはたらかない。
このとき、-の電気を帯びたビニールのストローをはく検電器に近づけると、金属部分の+の電気が上に引き付けられて、
-の電気が下の方にたまる。すると、はくの部分が-に帯電し、お互い反発し合う力がはたらく。
この状態でビニールのストローをはく検電器から遠ざけると、最初の状態に戻る。
また、そのビニールのストローをはく検電器に接触させると、-の電気が金属部分に流れ込み、金属部分全体が-に帯電することで、はくの部分でお互い反発し合う力がはたらく。
この状態で、ビニールのストローをはく検電器から遠ざけても、金属部分に-の電気が残っているのではくの部分は反発し合う力がはたらいたままとなる。