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中和

中和・・・酸性の水溶液とアルカリ性の水溶液を混ぜ合わせたときに起こる、お互いの性質を打ち消しあう反応。塩(えん)と水が発生する。

 

注意:中性にすることが中和ではなくて、中性に近づけることが中和。

酸 + アルカリ → 塩 + 水

 

・・・中和反応の際、酸の陰イオンとアルカリの陽イオンが結合してできる物質。

※塩が水に溶けやすい物質の場合、中和反応を起こした液を蒸発させることで塩を取り出すことができる。

 

塩酸に水酸化ナトリウム水溶液を混ぜた場合

[電離式]

塩酸の電離式:{HCl} → {H}^{+} + {Cl}^{-}

水酸化ナトリウム水溶液の電離式:{NaOH} → {Na}^{+} + {OH}^{-}

 

 

[中和反応によってできる物質]

塩ができる反応:{Cl}^{-} + {Na}^{+} → {NaCl}

水ができる反応:{OH}^{-} + {H}^{+} → {H}_{2}{O}

このように塩化ナトリウムと水が発生する。まとめると以下のような化学反応が起きている。

 

塩酸 + 水酸化ナトリウム水溶液 → 塩化ナトリウム + 水

{HCl} + {NaOH} → {NaCl} + {H}_{2}{O}

 

ここで発生した塩化ナトリウムという塩は水に溶けやすいので、過不足なく中和反応が起これば、食塩水が残る。

この食塩水はイオンがあるので電気を通すことができる。

塩酸に水酸化ナトリウムを混ぜながら溶液に流れる電流を測定すると次のようなグラフとなる。

また、完全に中性になったタイミングでのビーカー内の様子は次のようになっています。

 

 

硫酸に水酸化バリウム水溶液を混ぜた場合

[電離式]

硫酸の電離式:{H}_{2}{SO}_{4} → {2H}^{+} + {SO}^{2-}_{4}

水酸化バリウム水溶液の電離式:{Ba(OH)}_{2} → {Ba}^{2+} + {2OH}^{-}

 

[中和反応によってできる物質]

塩ができる反応:{SO}_{4}^{2-} + {Ba}^{2+} → {BaSO}_{4}

水ができる反応:{OH}^{-} + {H}^{+} → {H}_{2}{O}

 

このように塩化ナトリウムと水が発生する。まとめると以下のような化学反応が起きている。

 

硫酸 + 水酸化バリウム水溶液 → 硫酸バリウム + 水

{H}_{2}{SO}_{4} + {Ba(OH)}_{2} → {BaSO}_{4} + {H}_{2}{O}

 

ここで発生した硫酸バリウムという塩は水に溶けにくいので、白い沈殿として現れる。また、過不足なく中和反応が起これば水と沈殿した硫酸バリウムが残る。

 

硫酸バリウム・・・白い物質で水に溶けにくい物質。

 

この水と沈殿した硫酸バリウムの混合液にはイオンが無いので電気を通すことができない。

硫酸に水酸化バリウムを混ぜながら溶液に流れる電流を測定すると次のようなグラフとなる。

 

また、完全に中性になったタイミングでのビーカー内の様子は次のようになっています。

※高校入試までに出てくる塩は様々あるが、硫酸バリウムは水に溶けにくい塩でそれ以外は水に溶けやすい塩と覚えておけばOK

 

中和反応をおこしながら電流を流すと、電流がV字型のグラフとなるが、その谷間の地点で過不足なく塩とアルカリが反応し、中性になっていると言える。

また、その谷間の地点で流れる電流が0なら過不足なく反応が起きて硫酸バリウムができていることまで分かる。

 

青字で書いたところは理解するのが非常に難しいところ、実際に赤本などを何度も解いて少しずつ理解していこう。

大事なのは、

溶液中にイオンがある=電流が流れる

溶液中にイオンが無い=電流が流れない

ということだけ。すなわち、「酸性とアルカリ性の溶液は必ず電流が流れる」ということも言える。

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⇐3.酸とアルカリ   1.細胞分裂と成長

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