化学変化
化学変化・・・物質が反応の前後で原子の組み合わせを変えて、もとと異なる物質となること。(状態変化との対比問題に注意)
- 化学変化の前後で変わるもの:原子の組み合わせ
- 化学変化の前後で変わらないもの:原子の数と種類
- 状態変化の前後で変わるもの:体積(温度)
- 状態変化の前後で変わらないもの:質量
化学変化は以下のように分類分けすることができる。
化合・・・2種類以上の物質が1種類の物質となる反応
酸化・・・化合の中でも、酸素と結びつく反応
燃焼・・・酸化の中でも、熱や光を出しながら激しく酸素と結びつく反応
分解・・・1種類の物質が2種類以上の物質に分かれる反応
熱分解・・・分解の中でも、熱を使って分解する反応
電気分解・・・分解の中でも、電気を使って分解する反応
還元・・・酸化物から酸素を取り除く反応
分解
[炭酸水素ナトリウムの熱分解]
→ + +
炭酸水素ナトリウム → 炭酸ナトリウム(固体) + 二酸化炭素(気体) + 水(液体)
それぞれの物質の確認方法を以下にまとめる。
炭酸水素ナトリウム・・・弱アルカリ性の物質でフェノールフタレイン溶液をうすいピンク色にする。また、白い物質で水に溶けにくい。
炭酸ナトリウム・・・強アルカリ性の物質でフェノールフタレイン溶液を濃い赤色にする。また、白い物質で水に溶けやすい。
水・・・青色の塩化コバルト紙を赤色に変える。
二酸化炭素・・・石灰水を白く濁らせる。
炭酸水素ナトリウム | 炭酸ナトリウム |
弱アルカリ性 | 強アルカリ性 |
フェノールフタレイン溶液をうすいピンク色にする | フェノールフタレイン溶液を濃い赤色にする |
水に溶けにくい | 水に溶けやすい |
※実験中の注意点
・試験管の口を下げる⇒発生した液体が加熱部に流れて、試験管が割れるのを防ぐため。
・火を止める前に石灰水からガラス管を抜く⇒石灰水が逆流するのを防ぐため。
[水の電気分解]
→ +
水 → 水素 + 酸素
それぞれの物質の確認方法を以下にまとめる。
水素・・・マッチの火を近づけるとポッと音を立てて燃える。(陰極で発生)
酸素・・・線香の火を近づけると、炎が激しくなる。(陽極で発生)
発生する体積比は化学反応式の係数より 水素:酸素=2:1 となる。
化合
[鉄と硫黄の化合]
+ →
鉄 + 硫黄 → 硫化鉄
反応前の物質に磁石を近づけたり、塩酸をくわえることで、物質が変化していることを確認する。
反応前(鉄と硫黄の混合物) | 反応後(硫化鉄) | |
磁石を近づける | ひっつく | ひっつかない |
塩酸をくわえる | 鉄と反応して水素が発生する | 硫化鉄と反応して硫化水素が発生する |
※実験中の注意点
鉄と硫黄の混合物を加熱することで、赤くなるのを確認したらガスバーナーの火を切る。すると、外部から熱を加えなくても反応が自動で進む。
→鉄と硫黄が反応することで発生する熱(反応熱)で反応が連鎖的に進むから。
ちなみに…硫化鉄と塩酸が反応して硫化水素が発生するときの化学反応式は
+ → +
硫化鉄+塩酸→硫化水素+塩化鉄
[マグネシウムと酸素の化合(燃焼)]
+ →
マグネシウム + 酸素 → 酸化マグネシウム
マグネシウムは加熱することで、酸素と結びつく際に熱や光を出しながら激しく反応する。
マグネシウム・・・黒色の物質
酸化マグネシウム・・・白色の物質
※大抵の物質は酸化すると○色→黒色という風に黒くなる反応が多いが、マグネシウムは酸化することで白くなる珍しい物質である。
酸化と還元
酸化・・・化合の中でも、酸素と結びつく反応
還元・・・酸化物から酸素を取り除く反応
[酸化銅と炭素を混ぜて加熱]
+ → +
酸化銅:還元されている
炭素:酸化されている
[酸化銅と水素を混ぜて加熱]
+ → +
酸化銅:還元されている
水素:酸化されている
※中学では、酸化と還元は必ず同時に起こると学びますが、炭素と酸素から二酸化炭素を作る場合
+ →
炭素が酸化されているのは分かりますよね。
実はこのとき、もう片方の酸素が還元されていることになります。
このあたりの話は高校で学ぶ「酸化と還元の定義」で理解できるのですが、高校入試ではほとんど突っ込まれないので気にしなくてOKです。
どうしても気になる場合は、反応前の酸化されなかった物質が還元されていると覚えておけばいいかと思います。