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状態変化

状態変化・・・物質の状態(固体・液体・気体)が変化すること。状態変化が起こることで質量は変化しないが、体積は変化する。

※状態変化は温度の変化によって起きるが、気圧の変化によっても起きる。例えば、水は通常100℃で気体になるが、気圧を下げることで20℃で気体になったりもする。

※物質の温度が上昇することで物質の分子の運動が活発になる。温度はこの分子の運動の速さを表しているので、この運動の速さが0になったときが、温度の最下限となる。

このときの温度を絶対零度(-273.15℃)と呼ぶ。また温度の上限は存在しない。(無限)

 

 

融解・・・固体が液体になること

気化・・・液体が気体になること

凝縮・・・気体が液体になること

凝固・・・液体が固体になること

昇華・・・気体が直接、固体になること。もしくは、固体が直接、気体になること。

昇華の例1:ドライアイス(固体)が二酸化炭素(気体)になる。

昇華の例2:防虫剤として使われるナフタレンが気づくと無くなっていた。(固体⇒気体)

 

状態変化中の温度

氷を加熱して状態変化するときの時間と温度の関係を表した図を以下の示す。

 

 

この図から以下の2点を必ず覚えておくことが重要

  • 状態変化がおこっているとき、温度は変化しない。
  • 状態変化がおこっているとき、二つの状態が混じった状態になっている。

このように状態変化中にグラフが平らになるのは他の物質が混じっていない純粋な物質のときだけである。

状態変化と熱

・水が水蒸気になるとき、水は周囲の熱(気化熱)を吸収する。その結果、周囲の温度が下がる。

例:夏の厚い日に、道に水を撒くことでその辺りの気温が下がった(打水)

例:長距離走をして走り終えた後、急に体が冷えた。(運動をして髪の毛等についた汗が気化して体の熱を奪った)

 

また、この現象は逆のこともおきる。すなわち

・水蒸気が水になるとき、水蒸気は周囲に熱(凝縮熱)を放出する。その結果、周囲の温度が上がる。

 

状態変化による体積の変化

状態変化が起こると体積が変化するが、その変化の仕方は「水」と「それ以外の物質」の2パターンに分かれる。

密度の計算については、物質の性質のページを参照してください。

【水の場合】

  固体(氷) 液体(水) 気体(水蒸気)
質量 { 1g }  { 1g }  { 1g } 
体積 { 1.1cm }^{ 3 }  { 1.0cm }^{ 3 }  { 1700cm }^{ 3 } 
密度 { 0.9g/cm }^{ 3 }  { 1.0g/cm }^{ 3 }  { 0.000588g/cm }^{ 3 } 

となるが、数字だけでは増減関係がイメージしにくいので、水を基準として氷、水蒸気に変化したとき、体積がどう変化するかを次の図でしっかり理解するとよい。

 

【水以外の物質の場合(“ろう”が例としてよく出題される)】

  固体 液体 気体
質量 普通 普通 普通
体積 普通
密度 普通

視覚的に分かりやすくすると

このような感じになる。水の場合と比べると液体から固体になったときの体積の変化が逆になっている。

覚えることがたくさんあるが、まずは

  • 水の状態変化の際、体積がどう変化するかを覚える
  • 水以外の物質のときは、液体⇒固体のときの体積の変化が水のときの逆になる

この2点を覚えるだけでよい。

 

また、質量が変化しない為、

  • 密度は、体積の変化と逆の動きをする

ということも覚えておくとよい。(密度の公式からいえることなので、必ず覚えるべき知識ではない)

 

融点と沸点

融点・・・物質が固体から液体、もしくは液体から固体に状態変化するときの温度

沸点・・・物質が液体から気体、もしくは気体から液体に状態変化するときの温度

融点や沸点は気圧が一定であれば、物質によって決まっている。例えば、水の融点は0℃で水の沸点は100℃となっている。

 

物質 融点(℃) 沸点(℃)
0 100
エタノール -115 78
ナフタレン 81 218
酸素 -218 -183
食塩 801 1413

この表を使って、

【例題】20℃でのそれぞれの物質の状態を答えよ。

という問題がよく出題されたりするが、

融点を下回っていたら固体、融点と沸点の間では液体、沸点を上回っていたら気体。という風に覚えるとよい。

【気体】  ⇔  融点  ⇔  【液体】  ⇔  沸点  ⇔  【気体】

 

【解答】

水・・・液体

エタノール・・・液体

ナフタレン・・・固体

酸素・・・気体

食塩・・・固体

 

蒸留

蒸留・・・沸点の違いを利用して混合物を加熱し、気体にしてから再び液体に戻して、各成分に分けること。

蒸留では、純粋な成分を取り出すことはできないが、ある程度純度の高い成分に分けることはできることから、

原油を各成分に分けるときに応用されている。

 

入試や定期試験での蒸留の問題はほぼ”エタノールと水の混合物”の問題が出題される。

これを蒸留すると、エタノールの方が沸点が低い為、先にエタノールが蒸発する。が、純粋なエタノールが取り出せるわけではないので要注意!

エタノールと水の混合物を蒸留して得られる液体を試験管①⇒試験管②⇒試験管③という風に取り出すと、その中身の成分は

  • 試験管①・・・多めのエタノール&少なめの水
  • 試験管②・・・エタノールと水が半々くらい
  • 試験管③・・・少なめのエタノール&多めの水

という風に、後で得られる液体であるほど、水の割合が多くなるということを覚えておく必要がある。

 

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