位置エネルギー
位置エネルギー・・・高いところにある物体がもつエネルギー。単位はジュール(J)
【例題1】
次の図において物体Aが持っている位置エネルギーは物体Bが持っている位置エネルギーの何倍か求めなさい。
【解き方】
物体Aにはたらく重力は40N
物体Bにはたらく重力は80N
物体Aの位置エネルギーは3m × 40N = 120Jとなる。
物体Bの位置エネルギーは5m × 80N = 400Jとなる。
よって答えは0.3倍となる。
運動エネルギー
運動エネルギー・・・運動している(動いている)物体が持つエネルギー。単位はジュール(J)
この公式は中学ではほとんど学ばないが、知っておくと便利。私立入試でもよく出題される。
例えば、どれだけ質量が大きくても速さが0であれば運動エネルギーが0Jということが分かったり、運動エネルギーから物体の速さを求めることができる。(後の例題を参照)
また、公式より以下のことが言える。
- 質量が2倍、3倍・・・となると運動エネルギーも2倍、3倍・・・となる。
- すなわち、運動エネルギーは質量に比例する。
- 速さが2倍、3倍・・・となると運動エネルギーは4倍、9倍・・・となる。
- すなわち、運動エネルギーは速さの2乗に比例する。
ボウリングで重たい球を選ぶより、軽い球で速さの出せる球を選ぶ方がエネルギーが高い。というイメージで覚えるとよい。
力学的エネルギー
力学的エネルギー・・・位置エネルギーと運動エネルギーの和のこと。単位はジュール(J)
力学的エネルギー保存の法則・・・空気による抵抗や摩擦が無いような場合において、力学的エネルギーが常に一定に保たれること。
【例題1】
図のように摩擦のない斜面でA地点で鉄球をそっと手を放して斜面に鉄球を転がした。このときA~E地点での鉄球の位置エネルギーと運動エネルギーと力学的エネルギーを求めなさい。
【解き方】
まず、スタート地点(A地点)での鉄球に着目する。
位置エネルギー:4m × 50N = 200J となる。
運動エネルギー:鉄球の速さは0m/秒なので0Jとなる。
力学的エネルギー:200J + 0J = 200J となる。
B~D地点の位置エネルギーも同様に求める。
この時点でこれだけの答えが出揃う。
次に、摩擦が無いことから、力学的エネルギーが保存されてどの地点も力学的エネルギーが200Jと分かる。
最後に、力学的エネルギーから位置エネルギーを引き算することで運動エネルギーが求まる。
また、これらエネルギーの変化の様子をグラフに表すと以下のようになる。
※グラフから気づくと思うが、位置エネルギーと運動エネルギーのグラフは互いに線対称の関係となる。
【例題2】(私立入試向け)
例題1において、B地点での鉄球の速さを求めなさい。
【解き方】
B地点の運動エネルギーは50Jであり、鉄球の質量は5kgである。これを運動エネルギーの公式に代入する。
速さをxとすると
よって速さは(m/秒)となる。