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電磁誘導

電磁誘導・・・コイルの磁界中で、磁石を近づけたり遠ざけたりして磁界を変化させると誘導電流が流れる現象(語尾に注意!)

電磁誘導は火力発電や、水力発電のようなタービンを使う発電で利用され、電気の作り方の基本となっている。

誘導電流・・・コイルの磁界中で、磁石を近づけたり遠ざけたりして磁界を変化させると流れる電流(語尾に注意!)

レンツの法則・・・コイルは磁界の変化を妨げる向きに誘導電流を流す(磁界を作り出す)はたらき。

検流計・・・電流がどちらから流れてくるのかを指し示す計器。右から電流が流れてきた場合、指針は右に振れる。

図の①は磁石のN極をコイルに近づけたときに誘導電流が流れたときの様子である。このときの流れは次のようになっている。

1.磁石のN極をコイルに近づける。

2.磁石から出ている下向きの磁界がまる。

3.コイルはそのまった磁界の変化を妨げるために上向きの磁界を作る。(ここで右手の法則のグッドサイン!)

4.上向きの磁界を作るために、図のように誘導電流が流れる。

 

同様に②は磁石のN極をコイルから遠ざけたときに誘導電流が流れたときの様子である。このときの流れは次のようになっている。

1.磁石のN極をコイルから遠ざける。

2.磁石から出ている下向きの磁界がまる。

3.コイルはそのまった磁界の変化を妨げるために下向きの磁界を作る。(ここで右手の法則のブーイングサイン!)

4.下向きの磁界を作るために、図のように誘導電流が流れる。

 

※S極を下にして動かしたときも同様の考え方で考える。

※ちなみにこの手の問題で、磁石を上下ではなく、左右に動かしたり回転させたり色々な動かし方があるが、基本はコイルから近づくか遠ざかるかだけに着目して考えればよい。

誘導電流は磁石を動かしている間だけ流れ、磁石を動かしていないときは流れない。これは、磁石を動かす運動エネルギーを電気エネルギーに変換しているのだから当然である。

 

【誘導電流を強くする方法】

・磁石の磁力を強くする

・磁石の動かす速さを速くする

・コイルの巻き数を増やす。

レンツの法則(難関校入試向け)

【例題】次の図で次のそれぞれのタイミングでコイル2に繋がっている抵抗に流れる電流の向きを答えよ。ただし、流れない場合は×と記入せよ。

1.コイル1に繋がっている電源を入れたとき

2.その後ある程度時間がたったとき

3.その後コイル1に繋がっている電源を切ったとき

 

【解き方】

1.コイル1に繋がっている電源を入れたとき、コイル1では左向きに磁界が発生する。

それを受けてコイル2はそれに反発するかのように右向きの磁界を発生させるので、その磁界を作るために抵抗は①の向きに電流が流れる。

1.の答 ①

 

2.電源を入れてからある程度時間が経つと、コイル1の磁界の変化が無くなるのでそれに伴い、コイル2の磁界の変化も無くなる。

よって、抵抗には電流が流れない。

2.の答え ×

 

3.コイル1に繋がっている電源を切ったとき、コイル1で発生していた左向きの磁界が弱まる。

それを受けてコイル2はそれに反発するかのように左向きの磁界を発生させるので、その磁界を作るために抵抗は②の向きに電流が流れる。

3.の答え ②

発電機の仕組み

発電機・・・コイルの近くで磁石の磁界を変化させ、連続的に誘導電流を得て発電する装置。運動エネルギーを電気エネルギーに変換している。

 

 

このような感じで2つのコイルにはさまれた、磁石が回ることで、2つのコイルに誘導電流を流しています。

・左側のコイルはS極が近づくので、右向きの磁界が強まるのを妨げるために、左向きの磁界を強めています。

・右側のコイルはN極が近づくので、右向きの磁界が強まるのを妨げるために、左向きの磁界を強めています。

この結果、発生した起電力(誘導電流)が電線や変電所などを通って、各家庭のコンセントに届いているわけです。(かなり端折ってますが笑)

 

磁石を回して、少し時間が経つと図のような状況になります。先ほどと少し変わって

・左側のコイルはS極が遠ざかるので、右向きの磁界が弱まるのを妨げるために、右向きの磁界を強めています。

・右側のコイルはN極が遠ざかるので、右向きの磁界が弱まるのを妨げるために、右向きの磁界を強めています。

この結果、先ほどと反対向きに電流が流れています。すなわち、この仕組みで流れる電流は、周期的に電流の方向が変化する交流であることも分かります。

 

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