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オームの法則

オームの法則・・・抵抗に流れる電流は、抵抗にかかる電圧に比例する法則

※抵抗にかかる電圧を2倍,3倍・・・とすると、流れる電流も2倍,3倍・・・となる。

電圧(V)=電流(A)×抵抗(Ω)

$$電流(A)=\frac { 電圧(V) }{ 抵抗(Ω) }$$

$$抵抗(Ω)=\frac { 電圧(V) }{ 電流(A) }$$

オームの法則は上の3つの公式があり、1つだけ覚えれば値を代入し方程式を解く要領で計算すれば解けるが、計算スピードの事を考えて、3つとも覚える方が望ましい。

抵抗・・・電流の流れにくさを表す。単位はオーム(Ω)

 

回路全体の抵抗(合成抵抗)

回路全体の抵抗・・・電源から見た回路の抵抗を1つの抵抗としておいたときの抵抗のことで別名、合成抵抗ともよばれる。

直列回路の合成抵抗

$$R={ R }_{ 1 }+{ R }_{ 2 }$$

という風に、各抵抗の和が合成抵抗となる。

並列回路の合成抵抗

  • 並列の抵抗2個の場合

$$\frac { 1 }{ R } =\frac { 1 }{ { R }_{ 1 } } +\frac { 1 }{ { R }_{ 2 } } $$

この公式でもいいのですが、正直計算が面倒なので


$$R=\frac { { R }_{ 1 }{ R }_{ 2 } }{ { R }_{ 1 }+{ R }_{ 2 } }$$

こちらの公式を推奨します。(通称和分の積)ただし、並列の抵抗が2個のとき限定なので注意!

この公式は塾では当たり前のように習いますが、学校では習いませんよね・・・。

※ちなみに2つの抵抗値が同じ場合、合成抵抗は1つの抵抗値の半分になるというのも重要ポイントです。

  • 並列の抵抗3個の場合

$$\frac { 1 }{ R } =\frac { 1 }{ { R }_{ 1 } } +\frac { 1 }{ { R }_{ 2 } } +\frac { 1 }{ { R }_{ 3 } }$$

という風に、各抵抗の逆数の和の逆数が合成抵抗となる。

 

オームの法則の使い方

オームの法則は使い方をしっかりと覚えれば、どのような回路が出てきても対処することができます。

オームの法則は1つの抵抗に着目して使う場合回路全体に着目して使う場合の2通りがあります。

【1つの抵抗に着目して使う場合】

抵抗にかかる電圧(V)=抵抗に流れる電流(A)×抵抗の大きさ(Ω)

ほとんどの計算ではこのパターンの公式を使います。

【例題】

次の回路の①の電流値と②の抵抗値を求めなさい。

早速①の電流値を求めるときに公式丸暗記だと、24Vと36Vのどちらを使うか迷いますよね・・・。

ですが、Aの抵抗に流れる電流を求めたいだけなのでAの抵抗の部分だけに着目します。

というわけで①の答えは24V÷12Ωで2Aとなります。

次にBの抵抗を求める方法ですが、オームの法則を使う前に、Bの抵抗にかかる電圧とBの抵抗に流れる電流が必要なので、先にそれを求めます。

まず、直列回路であることから、Bの抵抗にかかる電圧は電源電圧36VからAの抵抗にかかる電圧24Vを引いて12Vとなります。

次に、Bの抵抗に流れる電流はAの抵抗に流れる電流と同じなので、2Aとなります。

ここまできたら後はBの抵抗に着目して、オームの法則を使うだけです。

なので、②の答えは12V÷2Aで6Ωとなります。

 

こういう感じで、前の単元回路の基本での直列回路・並列回路の性質を使いつつ、一つの抵抗に着目してオームの法則を使うのが基本的なオームの法則の使い方です。

 

【回路全体に着目して使う場合】

電源電圧(V)=回路全体を流れる電流(A)×回路全体の抵抗の大きさ(Ω)

回路全体を流れる電流・・・電源から流れる電流のこと。

このパターンの公式を使わないと計算が複雑になる問題、解けない問題もあるので、必ずおさえておきましょう。

【例題】難易度:易

次の回路の①の電流値を求めなさい。

まず、合成抵抗を求める。

$$\frac { 30×20 }{ 30+20 } =\frac { 600 }{ 50 } =12Ω$$

合成抵抗を求めることで、上の回路図を下の回路図と全く同じとみなすことができます。

※ただし、全く同じなのは電源電圧と電源から流れる電流のみなので注意!

よって、①の電流値は48V÷12Ωで4Vとなります。

 

【例題】難易度:普通

次の回路の①の電流値を求めなさい。

 

少し難しめの問題として出てくる直並列回路の問題です。

先ほどと同じようにまずは、合成抵抗から求めます。15Ωと10Ωの抵抗が並列になっているので式は以下のようになります。

$$14+\frac { 15×10 }{ 15+10 } =14+\frac { 150 }{ 25 } =14+6=20Ω$$

というわけで40V÷20Ωで回路全体の電流が2Aと分かります。

次にこの2Aが分岐するのですが、分岐するときの電流は抵抗値の逆比に分かれます。

今回の場合 上:下=15:10 でその逆比は2:3です。

$$なので2Aのうち\frac { 2 }{ 5 } が上に流れ、\frac { 3 }{ 5 } が下に流れます。$$

$$①の電流値は2×\frac { 2 }{ 5 } で0.8Aとなります。$$

 

ちなみに逆比というのは、ひっくり返すという意味ではなく逆数の比です。

例えばこういった3つの抵抗が並列に並んでいるとき、20:5:15=4:1:3の逆比だから1:4:3とかするとダメです。

正しくは20:5:15の逆比は

$$\frac { 1 }{ 20 } :\frac { 1 }{ 5 } :\frac { 1 }{ 15 } \\ =\frac { 3 }{ 60 } :\frac { 12 }{ 60 } :\frac { 4 }{ 60 }$$

なので3:12:4となります。

 

 

⇐2.回路の基本   4.電流による発熱⇒

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