溶液
溶液・・・水やアルコールなどの液体に物質が溶けた液のこと
※溶液はどの部分も濃さが同じになっている
溶媒・・・水のように物質を溶かしている液体のこと
溶質・・・食塩のように液体に溶けている物質のこと。
食塩水を例に挙げると
- 溶液・・・食塩水
- 溶媒・・・水
- 溶質・・・食塩
という風になります。
水溶液・・・溶媒が水の溶液のこと
濃度
濃度・・・溶液に含まれている溶質の割合を表したもの。百分率で表すため単位は%
$$濃度=\frac { 溶質の質量 }{ 溶液の質量 } ×100$$
これが公式ですが、大抵は食塩の問題が多いので、
$$濃度=\frac { 食塩 }{ 食塩水 } ×100$$
こっちで覚えた方が覚えやすいと思います。
ちなみに式変形をすると、
$$食塩=食塩水×\frac { 濃度 }{ 100 } $$
このような公式ができますが、これもよく使うのでこの2つの公式を覚えましょう。
濃度の計算
【例題】入試によく出てくるパターン
① 8gの食塩を使って、濃度5%の食塩水を作りたい。何gの水が必要か答えよ。
② ①で出来た溶液の濃度を半分にするには水を更に何g入れればよいか求めよ。
【解法】
① まずは値を公式に代入する。(どちらの公式でも良いが、2番目の公式に代入する)
$$8\quad =\quad x\quad ×\quad \frac { 5 }{ 100 } $$
$$800\quad =\quad 5x\quad $$
$$x\quad =\quad 160$$
というわけで食塩水が160gになることが分かったので、
ここから溶質の8gを引いて水は152g必要であると分かる。
② これは公式に代入しても良いがスピードが遅いのであまりよろしくない。
濃度を半分にするために加えるのは水なので、水をいくら加えても、溶質の質量は変化しないことに着目する。
結論から言えば、溶液の質量が2倍になるように、水を加えれば良い。
よって、答えは160gとなる。
$$\frac { 8 }{ 160 } \quad ×\quad 100\quad \quad \quad \quad \frac { 8 }{ 320 } \quad ×\quad 100$$
左が水を入れる前の濃度 右が160gの水を入れた後の濃度
式を見るとイメージが掴めてくるはず。
何でもかんでも公式に代入ではなく、こういった発想ができると計算スピードが向上する。
ちなみに食塩水と食塩水を混ぜる系の問題等もありますが、あれは中1数学の方程式で学習するので、そちらで学びましょう。
大事なのは食塩の量で方程式を立てることです。
溶解度・再結晶
溶解度・・・100gの水に溶ける物質の限界の量。単位は無し。
ほとんどの物質は温度が上昇すると同時に溶解度も大きくなる(溶ける限界の量が増える)
・食塩は温度が上昇しても溶解度がほとんど変化しない。
・水酸化カルシウムは温度が上昇することで溶解度が減少する。
飽和水溶液・・・溶媒に溶質が限界まで溶けた水溶液のこと。(これ以上溶けることができない水溶液)
溶解度曲線・・・物質の溶解度と温度の関係を表したグラフ
再結晶・・・溶液の温度を下げたり、溶媒を蒸発させて、溶けきれなくなった溶質を結晶として析出すること
例えばこのグラフから
- 58℃の水100gにミョウバンが50gまで溶ける
- 40℃の水100gにミョウバンが30gまで溶ける
ということが分かる。
ちなみに水の量と溶ける溶質の限界の量は比例関係になっている。すなわち
- 58℃の水200gにミョウバンが100gまで溶ける
- 40℃の水50gにミョウバンが15gまで溶ける
ということである。
溶解度の計算
【例題】
58℃の水100gにミョウバンを限界まで溶かして、この溶液を40℃まで冷やした。再結晶するミョウバンは何gか
【解法】
58℃の水100gにはミョウバンが50gまで溶ける。これを40℃まで冷やすと、ミョウバンは30gまでしか溶けない。
よって、50gのうち30gまでしか溶けないので、50 – 30 = 20gのミョウバンが再結晶する。
※ちなみに、この問題の最初の水100gという条件を水50g(半分に)に変えると、再結晶するミョウバンの量もそれに比例して半分の10gとなる。
このテクニックは最難関校の複雑な溶解度の計算で利用するケースが多いので頭の片隅に入れておくとよい。