動物の特徴
植物と動物を比較すると、植物は光合成によって自ら養分を作り出せるのに対して、動物は自ら養分を作り出すことができない。よって動物は他の動物や植物を食物として生きていくために必要なエネルギーを得ている。また、えさを得るために移動する能力をもっている。
動物の種類
動物は背骨をもつ脊椎(セキツイ)動物と背骨をもたない無脊椎動物の2つに分けることができる。
脊椎動物・・・背骨をもつ動物のこと。
無脊椎動物・・・背骨をもたない動物のこと。
草食動物の特徴
【草食動物】・・・草や木の葉などを食べて生活している動物
例:ウマ、ウシ、シカ、ウサギ、キリン、シマウマなど
★歯のつくり
- 門歯・・・かたい草を噛み切るために発達している
- 臼歯・・・草や葉などをすりつぶすために発達している。
- 犬歯・・・発達していない
★目のつき方
目は横向きについている。これにより後方までの広い範囲が見渡すことが出来て、敵からすぐに逃げれるようにしている。
※草食動物の哺乳類は消化管が長い。これは食物とする草木などの繊維が多くて消化されにくいからである。
★あしのつくり
あしの指先がひづめになっていて、長時間走り続けるのに適したつくりとなっている。
肉食動物の特徴
【肉食動物】・・・他の動物を食べて生活している動物
例:ライオン、トラ、ネコ、ワシなど
★歯のつくり
- 門歯・・・発達していない。
- 臼歯・・・肉を引きちぎるの適していて発達している。
- 犬歯・・・獲物をしとめるために鋭くなっていて、発達している。
★目のつき方
目は前向きについている。これにより両目で見ることで立体的に見え、獲物までの距離を正確に知ることができる。
※肉食動物の哺乳類は消化管が短い。これは食物とする草食動物に比べ、食物とする肉などが消化されやすいためである。
★あしのつくり
獲物を捕らえるために足音をたてずに速く走ることができる。また、つめの先が鋭くなっている。
動物の生活場所と呼吸
動物の生活場所は大きく分けて次の3種類があり、それぞれの生活場所は呼吸の仕方と密接に関わっている。
①水中での生活・・・主にえらで呼吸を行う生物が生活している。
②湿った場所での生活・・・主に肺と皮膚で呼吸を行う生物が生活している。
③陸上での生活・・・主に肺で呼吸を行う生物が生活している。
動物の体温
動物の体温の変化の仕方は、大きく次の2種類がある。
変温動物・・・周囲の気温と同じように変化する動物のこと。変温動物には冬眠をするものが多い。
恒温動物・・・周囲の気温に影響せずに、体温が一定の動物のこと。ヒトやハトのような哺乳類や鳥類がこれにあてはまる。
冬眠・・・食物を確保することが困難なため、眠った状態で越冬すること。眠ることによってエネルギーの消費をおさえ、体内に貯蔵したエネルギーを使用して冬を越す。基本的に体温が下がり呼吸数も著しく減少するが、クマのように体温が下がらないものもいる。
セキツイ動物の分類
セキツイ動物は次の5種類に分類することができる。
- 魚類
- 両生類
- は虫類
- 鳥類
- 哺乳類
魚類
からだの表面:かたいうろこでおおわれている。
体温:変温
呼吸:えら呼吸
なかまのふやし方:卵生
例:サメ・エイ・フグ・サケ・ハイギョ
※魚類は名前を聞けば大体わかると思うので具体例を赤字にしていません。
両生類
からだの表面:毛やうろこがなく皮膚がうすくやわらかい。また、表面は常に湿った状態になっている。(皮膚呼吸をするため)
体温:変温
呼吸:えら呼吸(子)→肺呼吸&皮膚呼吸(親)
※親になるとえらがなくなり肺ができるが、肺が不完全であるので皮膚呼吸で補っている。
なかまのふやし方:卵生
例:イモリ・カエル・サンショウウオ
※イモリとヤモリの区別が非常によく出題されます。イとヤの違いですが、イの方は両生類なので医療とでも覚えておけば良いでしょう笑
は虫類
からだの表面:皮膚はかたいうろこやこうらでおおわれている。
体温:変温
呼吸:肺呼吸
なかまのふやし方:卵生
例:トカゲ・ヤモリ・カメ・ワニ・ヘビ
※カメやワニは水辺にいるので両生類のイメージがあるが、爬虫類なので注意。
鳥類
からだの表面:体表は羽毛におおわれている。
体温:恒温
呼吸:肺呼吸
なかまのふやし方:卵生
例:ペンギン・ダチョウ・タカ・ワシ・スズメ
※間違えやすいのはペンギンだけ。他は聞いたらすぐに分かると思います。
哺乳類
からだの表面:からだの表面は毛におおわれている。
体温:恒温
呼吸:肺呼吸
なかまのふやし方:胎生
例:クジラ・イルカ・コウモリ・ネズミ・モグラ・カンガルー・ゾウ
※間違えやすいものだけ例を挙げました。
セキツイ動物のまとめ
これまでの5種類のセキツイ動物を表にまとめる。
無セキツイ動物の分類
無セキツイ動物は以下のように分類される。
- 節足動物
- 軟体動物
- 脊索(セキサク)動物・・・ホヤ・ナメクジウオなど
- 棘皮(キョクヒ)動物・・・ナマコ・ウニ・ヒトデなど
- 環形(カンケイ)動物・・・ゴカイ・ヒル・ユムシなど
- 線形(センケイ)動物・・・カイチュウ・ギョウチュウなど
- 扁形(ヘンケイ)動物・・・プラナリア・サダナムシなど
- 腔腸(コウチョウ)動物・・・クラゲ・イソギンチャク・ヒドラなど
- 海綿(カイメン)動物・・・イソカイメン・ムラサキカイメンなど
- 原生(ゲンセイ)動物・・・ゾウリムシ・ラッパムシ・ツリガネムシなどの単細胞生物
多くの種類があるが、節足動物と軟体動物とその他という3種類の分類で覚えてしまってOK
※アメーバのような単細胞生物は原生生物に分類され、無セキツイ動物であることは入試でたまに見かけるので覚えておこう。
※「節足動物・軟体動物は次のうちどれか」という問題が出題されるので、その他の無セキツイ動物として知っておくべき動物は赤字にしています。特にクラゲやウニやヒトデを軟体動物と扱う誤解答は全国でも多いので注意しましょう。
節足動物
節足動物はからだが丈夫な外骨格で覆われている。
からだは頭部・胸部・腹部の3つ、もしくは頭胸部・腹部の2つの部分に区別することができる。
節足動物はここから更に
- 昆虫類・・・バッタ・チョウ・セミなど
- 甲殻類・・・エビ・カニ・シャコ・ケンミジンコなど
- クモ類・・・クモ・サソリ・ダニなど
- 多足類・・・ムカデ・ヤスデなど
に分類される。
昆虫類は肺がなく、気管と呼ばれる管を通して空気を取り入れている。
甲殻類はえら呼吸をしている。
クモ類は書肺と呼ばれる器官と気管で空気を取り入れている。
多足類は肺がなく、気管と呼ばれる管を通して空気を取り入れている。
軟体動物
軟体動物はからだの内側に外とう膜というからだを包む膜がある。
軟体動物はここから更に
- 貝類・・・アサリ・マイマイ(カタツムリ)・サザエなど
- イカ・タコの仲間
に分類される。
軟体動物はマイマイを除きほとんどえら呼吸をしている。また全ての軟体動物は卵生である。
動物の進化
相同器官・・・現在は形やはたらきが異なるが、進化の中で基本的な骨格が同じで、もとは同じものが変化してできたと考えられる器官のこと。
植物と同じように動物も長い歴史の中で進化してきた。
無脊椎動物からどのような順番で進化しているかを以下に示す。
無脊椎動物から魚類に進化したのち
という風に進化している。どのような順番で進化しているかを覚えておこう。
カモノハシ・・・卵生であるが子を乳で育てる為、哺乳類と分類される。このことから、は虫類から哺乳類に進化した初期段階の哺乳類であると考えられている。
始祖鳥・・・鳥類とは虫類の両方の特徴をもつ動物である。
鳥類の特徴として
- 羽毛をもちくちばしがある。
- 前足の骨格がつばさに似ている。
は虫類の特徴として
- くちばしに歯がある
- つばさの先に爪がある
- 尾骨ある長い尾をもつ