運動の種類
物体の運動の種類は大きく以下の2パターンに分けられる。
- 速さが変化しない運動
- 静止している状態
- 一定の速さで運動している状態
- 速さが変化する運動
このうち、一定の速さで一直線上を進む運動を等速直線運動と呼ぶ。
また、一定の割合で速さが変化する運動を等加速度運動と呼ぶ。
平均の速さ・瞬間の速さ
平均の速さ・・・ある区間の距離を移動するのに要した時間で割って求めた速さのこと。
瞬間の速さ・・・非常に短い時間で動いた距離をその時間で割ったもの。
中学数学の文章問題で求める速さや、普段計算で求める速さはほとんど平均の速さです。それに対して、その場面の一瞬一瞬の速さのことを瞬間の速さといいます。
例えば、このように時間が経過しても速さが20m/秒で一定のような運動の場合、速さは常に20m/秒なのでどの時間帯の瞬間の速さも20m/秒となります。勿論、平均の速さは20m/秒です。
それに対して上図のような時間の経過に伴って速さが変化する運動の場合、0秒のタイミングでは瞬間の速さが0m/秒で、5秒のタイミングでは瞬間の速さが20m/秒となります。
また、0秒~5秒の間での平均の速さは10m/秒となります。(求め方は後述します)
速さと時間のグラフから移動距離を求める
【例題1】 0秒から5秒の間での物体の平均の速さを求めよ。
【解き方】
図のように青色の部分の面積が0秒~5秒の間で移動した距離になるので、この面積をかかった時間(5秒)で割ればよい。よって、
(5×20÷2)÷5=10m/秒となる。
【例題2】 2秒から5秒の間での物体の平均の速さを求めよ。
【解き方】
図のように青色の部分の台形の面積が2秒~4秒の間で移動した距離になるので、この面積をかかった時間(2秒)で割ればよい。
また、5秒で速さが20m/秒となっているので、2秒時点での瞬間の速さは8m/秒、4秒時点での瞬間の速さは16m/秒となる。よって
(8+16)×2÷2÷5=4.8m/秒となる。
運動の記録
記録タイマー・・・ごく短い一定時間ごとに記録テープに打点する装置。テープ上の打点の間隔は一定時間のテープの移動距離を示すことになる。
※記録タイマーは1秒に60回打点、1秒に50回打点の2パターンがあり、必ず問題文に記載されているので見落とさないようにしましょう。
例えば、上図の場合
①のテープは台車が一定の速さで運動(等速直線運動)している
②のテープは台車がだんだん速くなっている
③のテープは台車がだんだん遅くなっている
といったことが分かる。
【例題1】 次の記録テープからAC間、AB間の平均の速さを求めよ。ただし、記録タイマーは1秒間に60回打点するとする。
【解き方】
記録タイマーは1秒間に60回打点するので、60分の1秒で1回打点する。
AC間の平均の速さを求めるためには、AC間の距離とAC間のかかった時間が分かれば求まる。
AC間のかかった時間については下図のように打点の間隔の数に着目すれば60分の6秒と分かる。
よってAC間の平均の速さは、
という風に求められる。
同様に、AB間の平均の速さは、
という風に求められる。
振り子の運動
振り子・・・軽い糸の先におもりをつけてふれるようにしたもの
周期・・・左右に一往復するのにかかる時間。振り子の長さの平方根に比例する。
※糸の長さが2倍、3倍・・・となると、周期は倍、倍・・・となる。
※振り子の周期は振り子の長さ(≒糸の長さ)が決まっていれば、おもりの重さや振れ幅(振幅)に関係なく一定となる。(振り子の等時性)