原子の構造
原子核・・・陽子と中性子から成り立っている
陽子・・・+の電気を帯びた粒子
電子・・・-の電気を帯びた粒子
中性子・・・電気を帯びていない粒子
右図のように、原子は陽子の数と電子の数が同じであり、全体として電気を帯びていない。この状態を電気的に中性という。
また、陽子の数は原子番号と一致している。例えば水素原子は陽子が1つでヘリウム原子は陽子が2つある。
陽イオンと陰イオン
イオン・・・電気を帯びた原子のこと
陽イオン・・・原子が電子を失い、全体として+の電気を帯びた原子
例えばナトリウム原子が電子を1個失うと、 のように表記し、
これをナトリウムイオンと呼ぶ。このように右上に+や-をつけて表したイオンのことをイオン式と呼ぶ。
また、バリウム原子が電子を2個失うと、 のように表記する。
右上の2は電子を失った個数を指し示している。
陰イオン・・・原子が電子を受け取り、全体として-の電気を帯びた原子
陽イオンと同じように、塩素原子が電子を1個受け取ると、 のように表記する。
イオン式一覧
イオン名 | イオン式 | イオン名 | イオン式 |
---|---|---|---|
水素イオン | 水酸化物イオン | ||
ナトリウムイオン | 塩化物イオン |
|
|
カリウムイオン | 硝酸イオン |
||
銀イオン | 酢酸イオン | ||
アンモニウムイオン | 硫酸イオン |
||
バリウムイオン | 炭酸イオン | ||
カルシウムイオン | 酸化物イオン | ||
マグネシウムイオン | 硫化物イオン | ||
銅イオン | リン酸イオン | ||
亜鉛イオン | |||
アルミニウムイオン |
電子を失った数や受け取った数を価数とよび、イオン式の右上に表される。(価数が1のときは省略される)
イオン式を覚えることで化学式が分からない物質の化学式をある程度把握することができる。
例えば、ミョウバンの原料に使われる硫酸カリウムは硫酸イオンとカリウムイオン が結合することで出来る。
ここで、硫酸イオンの価数は「2」とカリウムイオンの価数は「1」。結合するときに陽イオンと陰イオンの価数を同じにする必要があるため、カリウムイオンの係数は2となる。よって
+ →
という風に未知の物質の化学式を知ることができる。
水溶液と電流
電解質・・・水に溶けて、電離する物質
例:食塩(塩化ナトリウム)、水酸化ナトリウム、塩化水素、
非電解質・・・水に溶けても、電離しない物質
例:砂糖、エタノール
※例にあるように塩化水素は電解質だが、塩化水素が水に溶けた塩酸は電解質とは言わない。
※電解質は色々あって覚えるのが大変なので、砂糖とエタノール以外が電解質と覚えると覚えやすい。
電離・・・電解質が水に溶けて陽イオンと陰イオンに分かれること
塩化水素を水に溶かすと図のように電離する
※ポイントは水溶液にイオンがあると水溶液に電流が流れ、イオンが無いと水溶液に電流が流れないということ。
電離のようすは化学式とイオン式で以下のように表すことができる。
塩化水素の電離
→ +
塩化銅の電離
→ +
硫酸の電離
→ +
塩化ナトリウムの電離
→ +
水酸化バリウムの電離
→ +